商品について
Klipschの真フラッグシップの待望のハイレゾ対応モデル
Klipschが渾身の思いを込めて創り上げた新たな真フラッグシップモデル。ハイレゾ音源にも対応。プレミアムハイレゾクラスでは世界最小で重さも最軽量級と、まさに本物を好む人のための夢のイヤホンです。
・ハイレゾ音源対応モデル
・新開発スーパーツイーターと最高品質フルレンジバランスドアーマチュアドライバーの2Wayシステム
・医療機器などに使用される耐蝕性の高いサージカルステンレス製のハウジング
・X20iにだけ装着された新設計スリムタイプ Oval Ear Tips
・SSMCXコネクタを採用した、交換可能なケーブル
・耐久性と声音の明瞭性が向上した、小型・高性能なMFi認証3ボタンリモコンマイクが付属
・耐久性が向上し、ケーブルノイズも低減された新開発のReferenceケーブル
BAドライバー1基を搭載したスレンダーなボディからは想像できない、活き活きとした表現力豊かなサウンドによって、多くの人から好評を博し、名機とまで呼ばれる存在となったKlipschのカナル型イヤホン「X10」。そのスタイルやコンセプトを受け継ぎつつも、最新のハイレゾ環境に最適化させたという新フラグシップが登場した。それがこの「X20i」である。
とはいえ、「X11i」のような「X10」のブラッシュアップモデルではなく、全く新たにビルドされた製品であることが、「X20i」の特徴だ。
「X20i」には、フルレンジ+スーパートゥイーターという、2基構成のBAドライバーが採用されているのだ。しかも、「X20i」用に新開発されたAcuPassドライバー(「X10」と同じウーファーユニット「KG-926」とスーパートゥイーター「KG-125」を組み合わせたスペシャルメイド)が採用されているのだという。
これによって、Xシリーズならではのスリム筐体を維持しつつも、高域特性が格段に向上した良質なサウンドを実現しているという。この技術情報をきいただけでも、どこまで良質なサウンドへと進化したのか、大いに気になるところだ。
さて、実際のサウンドはいかがなものだろう。期待を大きくして、試聴を始める。
なんと、質感の高いサウンドだろう。時に良好なのが、高域の歪み感のなさ。おかげで、ストレスのない、伸びやかなサウンドが楽しめる。特に女性ヴォーカルの表現が顕著で、「X10」と共通するイメージのある、距離感の近い立ち位置ながらも、声の特徴がよく分かる、活き活きとした歌声が楽しめる。
たとえばNobieバンドの「Tombo in 7 4 (UP Tempo)」を聴くと、ライブ会場の盛り上がりのなかから、ぐっと前にせり出して熱唱する力強いヴォーカルが楽しめる。いっぽうで、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの「BEAUTIFUL=SENTENCE(IS IT A BEAUTIFUL WORLD )」は、女性ヴォーカル2人の、普段より少し大人びた歌声が心地よく響く。
とはいえ、「X20i」の真骨頂といえばやはりアコースティック楽器の表現。溝口肇「亜麻色の髪の乙女」では、チェロのボーイングをしっかりと聴かせながらも、その周りに広がる音までしっかりと拾い上げて絶妙にミックス。ムードのあるサウンドを堪能させてくれる。
そう、「X10」の熱気を帯びた快活なサウンドとは全く異なり、ワイドレンジで特性の良い、随分とクリアなイメージの強いサウンドに生まれ変わっているのだが、そのいっぽうで魂の部分というか、ヴォーカルを人間らしく活き活きと表現する部分は変わらず継承されているのだ。これは面白い。
明らかにクオリティ面では「X20i」が格段に上となるが、かといって「X10」の魅力を否定する訳ではない。クリプシュでありながら、そして同じXシリーズでありながらも、全く別の方向性で良音質を追求した、似て非なるものに仕上がっているのだ。
アコースティックな楽器が得意なキャラクターは維持しつつ、JポップやEDM、テクノまで幅広いジャンルの楽曲をそつなく再生してくれるあたり、最新のハイレゾ音源を念頭に開発したという結果がしっかり反映されている。
クリプシュらしさあふれるサウンドがより幅広い音楽ジャンルで楽しめる、といった点で、なかなかに魅力的な製品といえる。
文:野村ケンジ
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。