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つかのまの光 戦火の不安のなかで 笑い 涙して 私たちは 1992年春 ソ連崩壊後のジョージア(グルジア)の首都トビリシ たおやかな少女たちの姿を 清冽に描き 世界で数多くの賞に輝く 珠玉の名作!
■ 世界中で数多くの受賞に輝くジョージア(グルジア)映画の新しい風
伝統あるジョージア(グルジア)映画は『放浪の画家 ピロスマニ』『落葉』等、数々の名作を生んできたが、
1991年にソ連邦から独立後、内戦、紛争が次々と起こり、社会も経済も大きな打撃を受けて、
国内は荒廃し、輝かしい映画の伝統は断たれた。しかし近年、映画は見事に復活をとげてゆく。
新しい世代の作品が、世界の映画祭で数多くの受賞を果たしていった。
■ 戦火の不安のなかで 強くのびやかに生きる少女たちを清冽に描く
『花咲くころ』は、ベルリン国際映画祭国際アートシアター連盟賞を初め、世界中の映画祭で高く評価され、
30もの受賞を果たした。ジョージア国内が混乱した1992年の春から初夏にかけて、首都トビリシを舞台に、
14歳の少女ふたりの成長を清冽な映像で描いている。市民が対立した内戦は、人々に大きな禍根を残した。
しかし社会に不安がたちこめていても、ふたりの少女はつよい絆で結ばれ、春の日差しのようにのびやかだ。
愛の歌をうたい、驟雨のなかを駆けぬける彼女たちの日々はみずみずしく美しい。
■ 澄んだ眼差しで見つめる ジョージアの忘れてはならない時代
監督はナナ・エクフティミシュヴィリとドイツ出身のジモン・グロス。近年、ジョージアは女性監督の躍進が目覚しく、
エクフティミシュヴィリ監督はその先頭に立つ。彼女の少女時代の思い出をもとに脚本は書かれ、
映画は厳しい時代を生きる庶民の表情を映すとともに、戦争や暴力の不毛さ、女性の権利についても主張する。
少女のひとりエカの、周囲の大人たちの心を見つめる澄んだ眼差し。祝宴で突然踊りだす彼女の無言の思いが胸を打つ。
主役に抜擢された少女たちは、サラエボ映画祭で見事に最優秀主演女優賞に輝いた。
【ストーリー】
1992年春、独立後に起こった内戦のきな臭さが残るジョージアの首都トビリシ。
父親が不在のエカは母親と姉の干渉に反発を感じている。
親友のナティアの家庭はアル中の父親のためにすさんでいた。
生活物資は不足しがちで配給には行列ができているが、ふたりにとっては楽しいおしゃべりの時間だった。
ナティアはふたりの少年から好意を寄せられている。
ある日、ナティアはそのひとりラドから弾丸が入った銃を贈られた…。
付属:解説リーフレット