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二枚組サントラも同梱で大満足の再販!
投稿日:2020/10/14 21:14:00
中古価格を見て、逃した魚はでかいな、と指を咥えていた私も今回の再販に飛びつくように予約購入。なんとかこの作品を読む機会を得られた。
本体価格は絶版のサントラも付属しており、大変コストパフォーマンスに優れていると感じる。というのも、この『Re:LieF』という作品、その写実的な塗りは界隈で大変な話題になり、この作品の名を轟かせる要因となったが、音楽の面も大いに評価できる。ピアノ曲を中心とした、落ち着いた雰囲気の楽曲群のレベルは高く、少なくない数のノベルゲームを読破してきた私からして、楽曲単体で評価ができる水準にあると感じた。
次にシナリオであるが、これに関しては考察も含め、私などよりも聡明で慧眼な諸氏が色々な場で語っていると思うので、そちらに詳しくは譲るが、この作品は物語として’良い話‘だったと思うし、読んで良かったとも思う。しかし、’好きな話‘かと聞かれたのなら私は頷かないだろう。
というのもテーマが、主人公たちが眩しすぎるのだ。彼らの姿勢や歩んだ道筋は正しく、尊い。誤謬を恐れず例えるのなら、吸血鬼になった人間が日光を克服し、再び陽の下で生きていく。そのような話だ。
しかし私は思うのだ。それは、長い間日光から吸血鬼を守ってくれていた古城を打ち捨ててまでするべきことなのだろうかと。確かに、日光を克服し人の輪に戻ることは偉業だろう。だが、あえて、力説させてもらえるのならば、人に戻ることのみが道だとは私は思わない。例えば、窓から差し込む仄かな月明りの中、透明な闇のみを観客とし、古城の亡霊と二重奏を奏でる。そのような結末があっても私はいいと思う。
最後に。この作品はクオリティーそのものはかなり高い為、主人公たちの生き方や前向きさに感情移入できれば、きっと’好きな話‘になることだろう。益体も無い文をだらだらと書いたが、尽きるところ主人公の伴侶選びに物申す。
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