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高橋直純の伝記映画のようなアルバム
投稿日:2024/06/01 18:27:03
過去作の一段上を突き抜けた最高傑作にして、まるでこれまでの人生の伝記映画を見るよう。その一曲目は自分こそ主題歌だという顔をした『rainbow』。「Over the rainbow」と叫んで超えて行くのは「憧れ」や「自分」だと歌う。タイトル表記についた虹の形のマークは、とある民族の文字で「大切なもの」の象徴。それは「心」だったり「あなた」だったり、そんなイメージだという。『虹遊-RGB-』は世の中を構成する光の三原色をモチーフに、それを頭文字にした「学ぶこと」「動くこと」「信じること」を意味する3つの単語を当てはめている。そしてこの3つこそが自らの「生きる根幹」だと話してくれた。そんなエピソードを知ることで確かに更に深い文脈が立ち上がってくる。でも...何よりも説得力があるのがこの歌唱だと思う。一音単位で感情を切り返すように歌う歌唱の演劇性が、楽曲から感じるべきことを教えてくれる。絵を見せてくれる。そして聴くほどに、次々と、心の鍵を開け続けてくれる。自分がどんどん素直になっていく。優しくなっていく。「この声よ届け」と歌う『like a seventh choad』はまさにそんな歌。ギスギスしたものの間に自分の歌が入ることでいい関係になって欲しいという「歌う理由」を、優しく強く宣言している。がむしゃら感を打ち出した楽曲とは対照的に余裕と包容力を感じさせる魔法のような歌唱にどんどんこちらの余裕がなくなって苦しくも心地いい痛みに支配される。このレビューを読んでくれているあなたは、今から何年後だろうか。きっと今も変わらずこんな気持ちで歌ってくれているはず。感動的な『gratitude』で終わらずに『light luck』でアゲて終わるのも伝記映画的。2024年。まだ太陽は捕まえられてない。物語は続いていく____
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