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【あらすじ】
女神様によって、西洋ファンタジー風の世界に異世界召喚された主人公・千種琢馬は鬱屈した日々を送っていた。
「最強の救世主として異世界を救う無双パターンか!?」と妄想に心躍らせていたのも束の間。
琢馬は同じく召喚された勇者役の少女と一緒に、「手違い」で呼ばれただけだった。
しかも何の冗談か、その勇者というのが、琢馬を日ごろからイジメていた少女・涼森咲里(エミリ)だった。
琢馬たちは『元住んでいた世界に帰る』という目的の下で、
巻き添えを食らって同じく異世界へと送られた女神・セリアと、暗黒魔王を倒す冒険をする事となる。
――ある日、いつものように罠チェック要員として、
森の中のとある洞窟遺跡で、一人探索させられていた時の事。
琢馬は、偶然にも隠し部屋を発見する。
そこから地下扉へと続く階段があり、辿り着いた先には、魔術工房を彷彿とさせる一室が存在していた。
古びた書物が雑多に捨てられ、壁には呪文だろうか、
まるで憤怒と執念を感じさせる勢いで書かれた謎の文字の羅列。
その他にも所々、消えかかっているが「復讐」や「許さない」など怨嗟の呪詛が書かれていた。
そして、その近くにはボロ切れを纏った骸が横たわり、骸の近くには一冊の魔導書のような本が落ちていた。
こんな不気味な部屋など早く立ち去りたいと思った琢馬だったが、どうしても、骸近くの本が気になってしまう。
興味本位で手に取って見てみると、どうやらこの骸は過去に偉大な魔術師だったそうだが、
何らかの理由で国を追われて、隠遁生活を送っていたらしい。
そして、復讐の念を抱きながら、遺跡に引きこもり、魔法の開発に勤しんでいたらしかった。
ページをめくっていくと、彼は驚くべき発見をする。
『闇の感情を持つ者よ。きっとこれは大いに役立つだろう』
『これを読んだ者に、我が禁呪を授けよう』
書物にはそう書いてあり、彼が編み出した、『操心』、いわゆる他人を操る魔術が記述されていた。
「これさえあれば、もしかしたら……」
「まさかな……」と、半信半疑。しかし本当に操心の力を扱えれば、
自分を散々いたぶってきたエミリとセリアへの復讐ができる。
確実に琢馬の心の中はドス黒い感情に満たされていき、
彼は、件の書物を懐に忍ばせると、部屋を出ていく。
――そして、この日を境に、暗黒の日常は陰惨淫猥極まりない
邪悪な桃色の日々へと変貌するのだった。
【スタッフ】
原画:ひなづか凉/物緒から
シナリオ:闇鍋